献立の作成方法のポイントについて、社会福祉法人 共愛会 特別養護老人ホーム 共愛の里 管理栄養士 栗野先生にお話を伺いました。
私が実際に行っている献立の作成方法を紹介します。
ご自身が献立を作成する上で参考になれば嬉しいです。
過去2~3年分の同月の献立をチェック(献立ソフトを使用の場合)
過去2~3年分の同月の献立の中で気になる献立をチェック。
今思いつく献立と1年前に思いついた献立、その時々で思いつく献立が違います。
また、自分以外の栄養士さんが作成した献立やネットで「○月献立 特養」などのワードで献立表を探すことで、自分では思いつかないような献立もあると思うので、参考にすると偏りをなくせると考えています。
色分けしながらバランスを確認
ピンク :肉料理
水色 :魚料理
黄色 :卵料理
黄緑 :豆腐料理・その他
紫 : 麺や丼、変わりごはん
オレンジ:揚げ物
たんぱく源(ピンク・水色・黄色・黄緑色)はバランスよく、揚げ物は週に1~2回、土日は人手が少ないので麺や変わりごはんは平日に入れています。さらに栄養バランスや厨房の作業工程も考慮しています。
魚も種類がなるべくかぶらないように、価格も考慮しながら肉の種類もバランスよく入れています。
デザートは果物だけだと価格が高くなりますが、生のフルーツからの栄養も取ってもらいたいので、バランスを考えながら、生の果物や缶詰を入れています。またヨーグルトなどの乳製品も定期的に入るように調整しています。
野菜一覧表にマーカーチェック
野菜一覧50音順をネットで検索してその中から自分の施設で使える野菜一覧表をExcelで作成して使用しています。
なるべく使用野菜の重複を減らし、色々な種類を使えるように工夫しています。
旬の食材のリストアップ
旬の食材を取り入れ、季節感ある献立になるように心がけています。
暦の行事を確認
お正月のおせちから始まり、バレンタイン、ひな祭り、端午の節句、七夕、土用の丑、重陽の節句、十五夜、
ハロウィン、クリスマス・・・暦の行事では食べるものも決まっているので、献立は作成しやすいですね。
「今日は何の日?」食べ物編を検索
どこかの団体や企業が制定した日や語呂合わせなどを見て使えそうなものを選んでいます。分かりやすいところで言うと、8月29日の「や(8)きに(2)く(9)の日」や8月31日の「や(8)さ(3)い(1)の日」
調べていて面白いなと思って取り入れたものを紹介しています。
探してみると色々あるので、ぜひ献立に取り入れてみてはいかがですか?入居者さんとの会話が弾みますよ♪
月ごとにテーマを決める
「郷土料理」「世界の料理」「駅弁フェア」テーマを決めることでメリハリのある献立になります。
例えば、郷土料理などは全国制覇を目指して、毎度献立に入れるのも面白いと思います。
入居者さんに「来月はどこの県だろう?」と楽しみにしてもらうのもいいですね。
まとめ
1人で献立を作成していると、自分でも気がつかないうちに自分の嗜好が反映されていたり、偏りがあったりします。
それに気がつけるように、マーカーで色分けしたり、野菜の使用をチェックしたりしています。
また、出来上がった献立は調理主任にも細かいところまで確認してもらうようにしています。
それは、1人の目よりも複数の目、そして栄養士とは違う立場の調理主任から見てもらうことで、栄養価以外の視点をもらうことができます。
イベント食のアイディアは介護職員さんからもらうこともあります。
栄養士だけでなく、他の職種からの意見やアドバイスをもらうことでより良いものが作れると思います。
いろいろな人の力をかりて、美味しくて楽しい食事作りができるといいですよね。
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