医療法人社団やすらぎ会 神奈川中央病院

「食べることは生きること」をモットーとして

献立作成作業削減かつ見た目も楽しんでもらうためにセット品を活用

施設分類:認知症専門精神科病院

ベット数:120床

左から 栄養科 管理栄養士 臼井くららさん,病院長 能登雅明さん,リハビリ科 言語聴覚士 相沢由梨奈さん,看護部長 山上晃司さん

  • 食形態ごとの内訳

    コード なし なし 2-1 2-2 3 なし なし なし
    名称 経鼻/経管 補助食品 ミキサー きざみとろみ ムース きざみ 一口大
    対象人数 8 4 3 6 2 7 9 1

  • 嚥下調整食を導入する際のポイントや流れ

    〇導入の流れ

    手製のムース食を毎食提供することは、人件費や火元の数、作業スペースの観点から難しい状況であった中で、委託給食の栄養士へ相談していました。

    給食会社(株式会社グランディック)がムース食を既製品にて導入している事例があったため、紹介していただきました。その後、試食会を開催していただきました。

     

    〇既製品介護食の導入を決めた理由

    主に3点あります。

    ・食事形態の選択肢を増やすため。

    ・患者様にとっての可能性を広げるため。

    ・1年365日、安定し、均一化している物性でのムース食を提供する必要があるため。

     

    〇マルハニチロの介護食にした決め手

    ・栄養士の負担軽減を目的として、献立が出来上がっており、1日の献立を立てずに提供できる「やさしいおかずセット」を導入することにしました。また、コンパクトに栄養価を落とさず、見た目も楽しんでいただきたいという想いもあったため、それらが配慮されている点も導入の決め手になりました。

  • どんな風に活用しているか

    現在は、咀嚼はできないが、歯茎で食塊を潰せる患者様に「やさしいおかずセット」を提供しています。朝、昼、夜 3食提供し、月1回のお楽しみメニューで在庫を調整しています。

     

  • 既製品を使うことのメリット

    管理栄養士の立場から:ミキサー食では、調理の過程でだし汁を加え攪拌するため、必然的に量が増えてしまいます。摂食嚥下機能が低下している方には、量の増加がお食事の負担となっている点が悩みでした。「やさしいおかずセット」を使用してみて、量が増えずに栄養量を保ったまま提供できる点にメリットを感じています。また、物性が毎日均一で、同じ物性の基準のお食事を提供できる点に安全性も感じています。

     

    医師の立場から:私の受け持つ患者様では、現在3名の方が「やさしいおかずセット」を召し上がっています。認知機能が低く口が開かない方は、ミキサー食では量が多く、介助時間が長いと疲れてきて口にお食事を溜め込んでしまいます。「やさしいおかずセット」は介助の側も手数が少なく、スムーズに高栄養なお食事を提供できることにメリットを感じます。体重の維持ができているのもポイントです。また、脳血管認知症の方は、嚥下機能は低下していても、脳ははっきりしている場合があり、視できる場合は見栄えも良い方がよいと思います。

     

    言語聴覚士の立場から:認知症の方は、昨日食べられたものが今日は食べられないというように、発揮能力が日によって変わります。お食事の物性が毎食異なると、食べる側の患者様も介助する側も毎回リスク管理に疲れてしまいます。やさしいおかずセット」は物性が均一で安定しているため、病棟で安心して提供できる点にメリットを感じています。また、介助するときも、形があると声掛けがしやすいです。介助しながら、心から、これ美味しそうだねと声掛けすると患者様の表情も変わってきます。

     

  • 費用について

    手作りのムース食を全て一から作成する場合の作業工程、人件費を踏まえると、妥当な金額であると考えられます。

  • 献立例

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