導入事例
東京医科大学病院
多疾患に対応できるシームレスな嚥下食の提供を目指して
形態統一を効率的に実現することで多食数の嚥下食に対応するために活用
施設分類:急性期病院
ベット数:904床
上段左から 管理栄養士 伊藤明日香さん、宮澤靖さん、武田佳奈子さん 下段左から 渡辺亜香里さん、林由彩さん(LEOC)、磯辺麻実さん(LEOC)
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食形態ごとの内訳
コード 1j 2-1 3 4 名称 嚥下調整食① 嚥下調整食② 嚥下調整食③ 嚥下調整食④ 対象人数 1 7 13 16 -
嚥下調整食を導入する際のポイントや流れ
1)嚥下食導入のきっかけ
元々当院で提供されていた嚥下食は全粥食からの展開で、全粥食を刻んだりとろみをつけたりしており、「物性」という点で学会分類に沿ったものではありませんでした。
大学病院ということもあり多疾患、幅広い年齢の患者へ提供する嚥下食をより安全で、より効率的に提供する方法がないか検討を始めたのがきっかけです。2)流れ
①当院栄養科内で嚥下食を検討するワーキンググループを発足
②日本摂食嚥下リハビリテーション学会嚥下調整食分類と当院で提供している嚥下食の相互について各自勉強の上、共有
④既製品を使用した新メニューを開発し、試作や試食会を実施。
③院内の嚥下内視鏡検査を行っている耳鼻科医師や摂食・嚥下障害看護認定看護師、言語聴覚士と共に形態の確認
④マルハニチロより調理師や栄養士へ実践型の研修会を開催3)ポイント・工夫点
幅広い年齢層に対応できるよう和洋中偏ることなく料理数のレパートリーを拡大しています。また、特に軟らかさを追求できない食品の部分に既製品を使用することで献立を立てやすくしています。定期的に嚥下食ワーキンググループメンバーで検食を行い委託職員とミーティングを経て形態を維持しています。 -
どんな風に活用しているか
嚥下調整食②③④(コード2-1、3、4相当)の主菜、副菜に使用しています。
特に通常の食品では形態調整に限界のある硬い食品等は既製品に置き換えています。 -
既製品を使うことのメリット
誰が作っても形態にムラができにくく、安定した形態で提供できることや、時間のかかる形態調整が必要なく、効率よく多食数を提供できることがメリットだと思います。
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費用について
食材費そのものを比較すると高く見えますが、既製品を使用しない場合にかかる人件費や光熱費を合算すると高いとは思いません。また、病院の管理栄養士が厨房で調理をする施設も多いと思いますが、診療報酬が改定された今、既製品を使用し嚥下食を効率よくより安全に提供することで生まれた時間で管理栄養士の病棟常駐化をはかることが医療収入につながることも考えていく必要があります。
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献立例
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