『厨房や他職種との関係の作り方』について、社会福祉法人 共愛会 特別養護老人ホーム
共愛の里 管理栄養士 栗野先生にお話を伺いました。
厨房や他職種との関係はどうですか?
協力してくれる人が多いと、それだけ入居者様のための仕事ができていると実感しやすく、やりがいを感じながら仕事できると思います。
私自身も、いろいろな方に協力してもらって、助けてもらって、給食業務や栄養ケアを行っています。
特に栄養士は1人や少数職場が多いので、他職種と関わることは自然と多くなると思います。
ここで少し私の話をさせてもらえたらと思います。
新人の頃と比べると、経験値が上がり、他職種とのコミュニケーションや連携は上手になった方かなと感じています。
それでも、普段から他職種連携の難しさを感じています。
価値観の異なる人、そして職種が違えば見方や考え方も違います。
新人の頃は、どこかで自分の意見が正しいと思って提案していた部分があったように思います。自分の意見を通すのではなく、「栄養士の立場から見た1つの意見を提案する、他職種の考えを知り、その中でより良い方法を検討する」、この考え方になってからは、相手の話をしっかりと聞くことを意識するようになりました。
そういう姿勢になると、相手も話やすくなるのか、自然と相談・検討し合える関係になったように感じています。
他職種との関係作りの中で、意識していることは3つ!!
1.感謝の気持ちを忘れない
2.自分にはない意見を取り入れる素直さをもつ
3.わからないことは聞く、自分の考えを伝える
1.感謝の気持ちを忘れない
一人職場が多い栄養士さんは特に他職種と連携を図っていくことが大切だと思っています。
1人では限界があります。献立を立てても、食事を作ってくれる調理師さんがいなければ食事は提供できませんし、栄養ケアでは栄養士1人で全員と関わり、情報収集、ケアをすることは時間的にも難しいので、介護士、看護師、ケアマネジャー、相談員など他職種の協力は必須です。
今自分がしている仕事はみんなの協力があって成り立っていることを忘れずに仕事をしていきたいですね。
2.自分にはない意見を取り入れる素直さをもつ
職種が違えば、見方や考え方も異なります。正しい、間違っているではなく、見方や考え方が違うだけ。
自分にない意見を取り入れる素直さは、コミュニケーションをとる上で大切だと思っています。自分だけの経験値や考え方では限界があります。いろいろな人がいて、いろいろな経験値があって、それぞれの専門性があります。それぞれのいいとこどりをしたら、入居者様にとってより良いものが提案できますよね。
3.わからないことは聞く、自分の考えを伝える
相手のことを理解しようとすることは大切です。
ですが、専門性が違えばその考え方や大変さを全部理解することは難しいと思っています。
察することも大切ですが、その人のことはその人にしかわからないので、聞いた方が早く、正確だと思います。「私はこう思うけど、調理師さん的にはどう思う?介護士さん的にはどう思う?看護師さん的にはどう思う?」これを心がけています。自分で察して、思い込みで進んでいくと、違ったりすることもあるかなと思います。
相手が何を考えて、何を感じているか、そして自分は何を考えているかを知ってもらう機会を意識して作ることで、より良い関係を築くことに繋がると思います。
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