摂食嚥下、すなわち咀嚼と嚥下には多くの神経や筋肉が関わっています。
食べ物を前にすると、スムーズな連携プレーで一連の反射や動作がなされ、
健康な人ならほぼ無意識のうちに行われます。しかし、その過程のどこかに障害が起こると、摂食嚥下機能の障害がもたらされます。
食べものを認知し、口に食べ物を運ぶ
大脳は五感を使って食べ物の情報をキャッチし、それまでの学習によってさらに細かく判断します。
―摂食は脳との連携プレー―
口に取り込む
食べ物を口に取り込む際には、唇や前歯などが働きます。
例えば、大きめの食品が口に入ったときは、前歯でかじり取って、口の中に入れる量を調整します。
このような判断も大脳で瞬時に行われています。
咀嚼し食塊を形成する
食べ物は口に中に入ると、舌によって奥歯に運ばれ、咀嚼されます。
咀嚼される際には、舌や頬の筋肉などによって唾液と混ぜられます。
咀嚼を繰り返すうちに、食べ物は飲み込みやすい形に形成されます(=食塊形成)。
のど(咽頭)へ送り込む
食塊形成された食べ物は、舌や頬の筋肉によってのどの奥に移動、咽頭(のど)へと送り込まれます。
この時、食べ物は舌の上でまとめられ、さらに、舌を上あごに押し付けて、食べ物を送り込みます。
―嚥下の仕組み(嚥下反射)―
咽頭を通過する・嚥下反射が起こる
食べ物が咽頭に送り込まれると、嚥下反射(=意識しなくても自然に起こる活動)が起きます。
この嚥下反射で起こる嚥下運動によって、空気の入口である気管は閉じ、食物の入口である食道が開きます。
食べ物が食道の入り口を通過すると、逆流しないように筋肉が働き、さらに蠕動(ぜんどう)運動によって胃に送り込まれます。
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