患者さん、利用者さんの食事時間を皆さんはどのようにして過ごしていますか?
部屋に籠ったままでいたりしていませんか?食事場面に足を運ぶことで見えてくるものがあります。
今回は、食事場面の観察をおススメする理由についてお話しします。
1.食事場面から情報が得られる
病院では食事摂取量を、主食○割、副食●割と記録に残している場合が多いと思います。
しかし、実際には何をどのくらい残したのかを知ることが重要です。
嗜好の問題?味の問題?硬さの問題?見た目の問題?それともその他の問題なのか。
食事場面を観察し、その場で聞き取ることで、なぜ食事摂取量が増えないのかの情報を得ることができます。
低栄養の原因や予防方法を見つけることができるかもしれません。
2.摂食嚥下の問題を発見できる
最近では老嚥、サルコペニアの摂食嚥下障害などが話題に上がるようになってきました。
高齢者の中には、ラクナ梗塞やパーキンソニズムがある方や、難病が隠れている場合もあります。
食事場面は、食事環境への適応、姿勢の崩れ、食べこぼし、ムセなど摂食嚥下の問題を目にする絶好の機会です。
日々の変化が摂食嚥下障害の発見の糸口になることがあります。
3.ムセを捉えて対応する
ムセには多くの情報があります。見るポイントを以下に示します。
それぞれに意味合いが異なります。
本人の問題?タイミング?食事形態?食事姿勢?食事介助?もしくは他の問題?
なぜムセているのかを捉えることで対処方法も異なってきます。
4.評価のチャンス
食事場面はムセへの初動対応としての評価ができる絶好のチャンスです。
食事場面を見ながら、水飲みテストやフードテストの判定基準に照らし合わせることや、
頸部聴診ができることで初動対応が早くなります。
必要に応じて、その場で食事形態や水分形状を変えて評価することもできます。
食事場面は情報の宝庫ともいえる貴重な時間です。
パソコンや訓練場面からは得られない多くの情報があります。
少しの時間、対象者を決めて食事場面を見に行ってみませんか?
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